つじるの忘れんぼ鉄道

DCC自動運転で秋葉原にあった交通博物館のジオラマを目指すブログ

(HO)天賞堂クモヤ145のDCCサウンド化 (2) デコーダ・前面ライトまわり編

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 本記事は以下記事からの続きとなります。

 

DCCサウンド化の方針

前回のクモハ12と同じ考え方ですが、クモヤ145のDCCサウンド化の方針は次の通り。

  • オープンサウンドデータ第四弾「MT54・国鉄近郊型サウンドデータを導入する
  • DCCデコーダは、オープンサウンドデータが対応するESU社のLokSound 5 を搭載する。(今回はLokSound 5 micro DCC Next18版を使用)
  • ヘッドライト/テールライトは、適当なユニバーサル基盤を使って実装する
  • 室内灯だけでなく、LokSound 5 micro のAUX数で実現できそうな以下のLEDをつなげてみる。
    AUX1:室内灯
    AUX2:運転室灯(キャブライト)
    AUX3:前方方向幕灯
    AUX4:側面表示灯
    AUX5:未使用
  • 上記AUXによるLED点灯を実現するため、デコーダ受け&配線出し基盤として、あやのさん頒布の「Next18 Adapter Board TR 部品面タイプ(車両側)」を使用する。

 

LokSound 5 各シリーズの仕様

ちょっと話がずれますが、LokSound 5 と言っても、各シリーズの仕様はけっこう異なります。今回私が利用する「LokSound 5 micro」は下表の仕様となっています。
※本情報が記載されたマニュアルはESUサイトにて入手可能

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私はLokSound 5 micro を先行して購入しましたが、本来であれば、自分が実装したいLED制御数や必要アンペア、ファンクション内容(サーボ制御とか)を意識して選択するのが望ましいです。

とはいえ、DesktopStationさんを中心としたパーツ類の豊富さや、車両側の搭載スペースを考慮すると、Next18版の micro が最も汎用性が高いと思います。

 

今回の私のようにAUX1~4をLED出力として利用したい場合、下表の通りmicroのNext18版においては AUX1~2はPower出力でLED点灯できるが、AUX3~4は「Logic Level」となっていて、そのままではLED点灯できません。

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これを解決してくれるのがあやのさん頒布の「Next18 Adapter Board TR」基盤で、デジタルトランジスタかますことで AUX3-4 をPower出力化してLED点灯できるようになります。国内メーカ製品に多い両極性ヘッドライト/テールライトに対応させる機能もくっついたバージョンなどもあります。

 

DCCでの一般的な配線例

アナログ車両をDCC化するにあたっては、一般的な配線例を把握しておきましょう。KATOの以下記事にはよくお世話になってます。

 

今回のクモヤ145配線図

上述内容を前提に、今回のクモヤ145では下図の配線となっています。

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今回利用したパーツは以下の通り。

 

それではようやくですが、DCC化の工程となります。 

  

パワトラ(モーター台車)のDCC化接続

まずは、モニター商品としてセットで付いてきた動力台車のパワートラックです。

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パワトラの標準状態はこんなかんじ。ちっちゃいのにモータ含めてまとまってるのはすごいね。

 

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分解。ツメをはじく程度で、台車枠は外れます。

 

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レール ⇒ 車輪 ⇒ 集電シュー ⇒ モーター と給電され、アナログ環境で動作するようになっている構造。

 

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分かりやすく広げるとこんな感じ。

 

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DCC化するため、集電シューにはんだ付けされているモータ配線(黒いケーブル)のハンダを外します。DCC化するからには、モータへの入力はレールから直接ではなく、デコーダのモータ出力から配線する必要があるためです。

 

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モータ、ちっちゃい!

さて、このモータへの配線をデコーダと接続するためには、黒いケーブルを台車ボックスの外側へ出してあげる必要があります。

 

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台車ボックスを見ると、なんかいい感じの小さい穴がすでに空けてあります。(ハニワの顔っぽくなってる両目の箇所)

 

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モータからのケーブルを小さい穴を通してからモータを格納した状態。 

 

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 ケーブルを穴に通して外側からみるとこんな感じになります。いい感じ。あとはもうこの配線を、Next18基板のモーター出力(ピン2と11)まで配線すればいいだけです。

ちなみにNext18はその名前の通り、18個のピンが存在するインターフェースです。DesktopStationさんの下記表を参照して把握してください。

 

  

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台車を組み立てなおすとこんな感じ。なんか虫っぽい。。。

 

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台車枠も付けた状態。モータへの黒いケーブルは上述の通りで、もうひとつ気にすべきなのが、車輪からの集電シューです。これはデコーダへの給電を行うための配線となるので、Next18の場合はピン1(18)と9(10)へつなげる必要があります。

 

 

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台車の上にシャーシをのっけた状態。台車が首振りするために集電シュー部分が上面に出てきます。

 

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なおモータへつながる黒いケーブルが、最大首振り時にシャーシと干渉するので、ケーブルが傷まないようにシャーシ側を削ってます。 

 

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 こちらはもう片側の台車ですが、説明書の通り組み立てるだけ。

 

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集電性能を高めるため、こちらの台車からもレールからの電力をデコーダへ給電できるよう配線します。

パワトラと台車周りの加工は以上。

 

ヘッドライト/テールライトのLED点灯化

本製品は、DCC化うんぬんの前に、ヘッドライトとテールライト用のライトユニットそのものが実装されていないので、ユニットまるごと作成する必要があります。ちなみに現時点では、クモヤ145のライトユニットをDCC館さんが頒布されていますので、これを利用するのが最も楽で確実かと思います。と思ったら2020年2月3日時点では品切れとなってしまっているようです;;

私は頒布前に手を出していたので、以降はライトユニットの自作を前提とした内容となります。

 

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前面パーツはこのようになっています。点灯化を前提に、各店頭箇所のパーツが切り取れるように筋目が入っています。こういったサポートは非常にありがたい。

 

 

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さて私がライトユニットの基板として使ったのは、aitendo店頭で購入した上記のユニバーサル基板です。通販サイトで探したのですが同じものは見つからず。ただ、赤い基板で同じものがありました。35mmx35mm です。

 

 

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搭載位置に差し込んでみるとこんな感じで、ちょうど収まるサイズ感となっています。

 

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で、これを半分にカットして利用します。今回カットして初めて知りましたが、ユニバーサル基板てめっちゃ丈夫というか固いですね。普通のカッターだけだと無理なので、モデリング用のちっこいノコギリで切りました。

 

 

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半分にカットした状態。これをクモヤ145の両側で一つずつ使います。

 

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半分にカットした状態を前面プラパーツにあてがうとこんな感じ。ヘッドライトとテールライトの位置がちょうどカバーされていい具合です。

 

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 この基板にて、ヘッドライトLED2つとそれ用のCRD1個、テールライトLED2つとそれ用のCRDを配置していきます。この画像は裏面。 

 

 

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こちらは前面。ちっちゃいけど、左上と右上にLEDチップがあるのが見えますか?

 

 

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ヘッドライトLED2個とテールライトLED2個を配線した状態です。プラパーツ側のライト位置をあわせながら、LEDの位置も決めましょう。

 

 

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基板の裏側です。ヘッドライトとテールライト用のCRDです。

 

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テスト点灯したとこ。(テールライト)

 

 

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ちなみに使ったLEDチップ(配線済み)のパッケージはこちら。

 

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続いて、プラパーツ側の加工。標準で筋目がついている箇所で切り離します。切り離す理由は、私の場合は遮光のためです。くっついたままだとプラパーツ全体に導光されてしまい、運転窓なども光ってしまいます。

 

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より遮光するため、切り取った断面を黒マジックペンで塗りました。

 

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ちなみに遮光をしっかりしないと、テールライトの赤い光がヘッドライト部だけでなく、さらに上側の運転窓まで赤く照らされてしまいます。

   

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 この黄色い警戒色部は別のプラパーツになっているので、ボディとの隙間から光が漏れることがあります。そのため、私は以降の画像のように、黒の遮光テープを張りました。

 

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まずは全体に貼り付けて…

 

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ヘッドライトとテールライトのプラレンズ部が通るように穴をあけました。ミソは、本パーツ両サイドの黒テープを長めに残し、ボディ部との隙間も遮光できるようしておくことです。

 

 

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このパーツですが、こんな感じで横にずらしていくことで外すことができます。

 

 

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 下から覗くとこういう状態で、このままさらに傾けていくことで外れます。

 

 

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ライトユニット基板の遮光は、裏側を黒い布絶縁テープで覆い、前側ではヘッドライトとテールライトの光がお互いに漏れないようひっつき虫を敷く&ヘッドライトをプラパーツで作った枠で囲みました。

 

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プラパーツ枠を黒く塗った状態がこちら。

 

 

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前面窓ガラスパーツ側にも、遮光テープを貼り付け。

 

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パーツ側面も黒油性マジックを塗って遮光。

 

 

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 窓ガラスパーツをボディに取り付けた状態。 

 

 

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さらにライトユニット基板をかぶせた状態。事前に基板へつけたひっつき虫が窓ガラスパーツへの 接着もしてくれます。

 

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 こんなイメージです。

 

本記事は以上となります。

ちなみに冒頭で書いたDCC館あやのさんのNext18基板の写真がこちらとなります。 

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 次回は、車内灯やスピーカについての記事となります。

 

 つづく。