LokProgrammerでオープンサウンドデータにAUX2以降の照明を設定する
今回は、オープンサウンドデータ利用を前提として、自分の車両に実装する照明用のファンクション設定をLokProgrammerで行う手順をまとめてみた。
具体的には、オープンサウンドデータは通常、室内灯のAUX1しか設定されていないので、側面の方向幕灯や運転室灯といった、AUX2以降のLED点灯を設定する手順ですね。
なおDesktopStationさんにて、より全般的な素晴らしいマニュアルを提供してくれているので、こちらを先に理解することが望ましいです。
オープンサウンドデータのダウンロード
使いたいデータをダウンロードしよう。キハ110には、異なる2つのディーゼルエンジンタイプのデータがあるのだけど、今回はカミンズ社のものをダウンロード。
まずはダウンロードしたZIPファイル内の「readme.txt」を読もう。
このデータの説明書のようなもので重要。
読んでみると、ファンクション一覧として以下が記載されている。
■ファンクション一覧
F0 ヘッドライト・テールライト
F1 サウンド(機関始動)
F2 警笛
F3 室内灯(AUX1)
F4 ATS
F5 非常ブレーキ
F6 なし
F7 音量調整
F8 レール継ぎ目音
F9 なし
F10 フランジ
F11 なし
F12 ドア開閉・手笛
F13 ドア開閉 ベル
F14 ドア開閉のみ
F15 駅アナウンス
F16 車内ワンマンアナウンス
見た通り、F3に室内灯(AUX1)があるだけで、その他の照明に関する記述はなく、
自分で設定を追加しないといけないことが分かる。
LokProgrammerで設定したい内容
今回はKATO(HO)のキハ110に対して以下を設定したい、というストーリー。
- AUX1:室内灯
- AUX2:車側灯(赤)
- AUX3:運転室灯
- AUX4:側面方向幕灯
LokProgrammer 操作の前提
これ以降の操作は、以下の準備が整っていることが前提です。
- LokProgrammer(ハードウェア)がWindows PCに接続済み
- LokProgrammer(アプリ)がWindows PCにインストール済み
- LokSound5 デコーダとAUX1~4のLEDが正しく組み込まれた車両
LokProgrammerアプリでオープンサウンドデータを開く
ダウンロードしたZIPファイルを解凍し、「オープンサウンド V5DCC キハ110_カミンズ_r6.esux」をダブルクリックで開くとLokProgrammerアプリが開く。
データの概要
開くとこんな感じの画面が開く。一番左側のメニューにある「Decoder」、「Information」、「Sound」の3つの中に、このサウンドデータのおおよその設定が詰まっている。
▲ [Decoder] > [Address] を選択すると、アドレスとして「3」(ショートアドレス)が設定されていることが分かる。
▲ [Function mapping] を見ると、各ファンクションに対してなにやら色々設定されてるのも分かる。
▲ [Function outputs] を見ると、ファンクション出力に関連しそうなライト出力やAUXxxといった項目がたくさん。
まずはこの状態で色々見ていると、ファンクション出力がどう構成されているかが、なんとなーく見えてきます。
設定の流れは以下となるので、それぞれの設定方法をみていこー。
- Function outputs 設定
- Function mapping 設定
- Function 表示設定(コマンドステーションがESU製品の場合向け)
- デコーダへの書き込み
- 動作確認
1.Function outputs の設定
最初に、標準で設定されているAUX1の室内灯のファンクション設定を見てみる。
「室内灯用出力」と分かり易く名前がついてるので想像しやすい。その通り、AUX1の出力が室内灯として定義されてます。色々とパラメータがあるけど、灯りを灯すだけであれば、黄色マークにした項目を把握していれば大丈夫。
ここで選択されてる”Dimmable Lights(fade in/out)”は「調光式点灯器具」ということで、明るさ調整できるライト。通常はこれでOK。よく使うのは以下の3つですかね。
- Dimmable headlight
ふつうの灯り。ONしたらパッと点いて、OFFしたらパッと消える。 - Dimmable headlight(fade in/out)
点灯時はゆっくり点いて、消灯時もゆっくり消える。 - Neon light
蛍光灯。パチパチっと点滅してから点灯。消えるときはパッと消灯。
「Brightness」はそのまま「明るさ」。32段階で設定でき、画像では16になってる。
設定概要は以上。
AUX3:運転室灯の設定
ということで、「AUX3:運転室灯」を実際に設定してみる。
画面内の「AUX3」を選択しましょう。すると、右側になにやら警告が表示されちゃいました。AUX3使うには、SUSIという機能を無効化してねとの内容で「Disable SUSI」をクリックすると、設定画面に切り替わる。
▲ ちなみにSUSIは拡張用インターフェースの規格名で、サウンド機能を増設する場合などに利用するみたい。まだ実物や導入例を見たことは無い。。。
画面が変わると、以下の設定画面になる。
設定を入力したのが次の画面。運転室の蛍光灯を想定。
▲ Neon Light を選択すると [Startup time] というパラメータが追加表示される。これは、蛍光灯が点灯するまでのチカチカッっと点滅する速度のパラメータ。初期値0のままだと点滅そのものがスキップされてしまうので、10あたりから好みのチカチカ速度を決めよう。
ここら辺の設定詳細は、LokProgrammer ではなく LokSound 5 のマニュアルに記載されてるので、PDFをダウンロードしておこう。
http://www.esu.eu/en/downloads/instruction-manuals/digital-decoders/
▲ [Fluorescent lamp] とあるのはLokProgrammerアプリ側の Neon Light(蛍光灯)と同じ。ドキュメントによって表記ユレがあるっすね。
▲ LED mode については次の画面とセットで読んでね。
AUX2:車側灯の設定
ついでに「AUX2:車側灯」の設定画面。
▲ Dimmable headlight などの一部を選択した際、最下部に"Enable following special functions" という項目が表示される。模型の照明が電球ではなくLEDの場合は、[LED mode] を必ずチェック。
2.Function mapping の設定
ここまでに設定したFunction出力設定を、具体的なFunctionボタン/番号等と紐づけるのがこの設定の目的。
ダウンロードしたキハ110のオープンサウンドデータはこんな設定状態。
▲ readme.txt記載のファンクション一覧と比較しながら見てみよう。
ファンクション一覧によると、F6 が未割り当てとあるので、事前に設定した「AUX3:運転室灯」を F6 に割り当ててみる。
しかし、実際に設定画面を見ると、F6の Logical functions に「Drive Hold」というものが設定されている。
LokSoundのマニュアルを見ると、速度を一定に保つ動作になるとのこと。
▲ Drive hold は今回不要な設定なので、プルダウンを開いて・・・
▲ チェックをOFFにする。
F6の設定がきれいになったので、運転室灯を設定。
▲ Physical outputs のプルダウンを開いて・・・
▲ 「AUX3:運転室灯」のチェックをONにしましょう。
▲ 設定後の状態はこんな感じ。
ちなみにこのキハ110オープンサウンドデータ、readme.txt では「F3 室内灯(AUX1)」となっているけど、実際のデータでは F1 に 室内灯(AUX1)が設定されていることが分かる。
▲ F1オンによるサウンドONと連動して室内灯もONとなる設定になっている。逆に、F3 には Sound Slot 15 というサウンドがマッピングされているが、Sound Slot 15 には何もサウンド定義されていないので、ゴミ設定が残っている状態ですかね。
これ以外にも必要な設定を適宜登録していこう。
3.Function 表示設定(コマンドステーションがESU製品の場合向け)
ECoS2 などのESU社コマンドステーションを利用している場合、ファンクションボタンの表示をデコーダごとに設定しておくことができる。この画面で設定できるので、設定しておけば、久しぶりに走らせる場合でもファンクション毎の機能を覚えている必要がないので楽ちん。
4.デコーダへの書き込み
ここまで設定を終えたら、このボタンでデータをデコーダへ書き込もう。
5.動作確認
ここまで設定できたら、実際に動きを見てみよう。
みんなも自分好みの車両を作ってみよう!
以上