(HO)KATOクモハ12のDCCサウンド化 (2)
ということで、製作記はここから。
分解
まずは分解し、どのようにDCCデコーダやスピーカを配置,配線すればよいか見ていきます。
ボディの側面、片側3か所ずつがツメで引っ掛けてあるので、ボディを外側に広げながら上方へ引くとボディと台車が外れていきます。
台車側の床板をもツメで引っかかているので、ツメを押し込みながら外します。上の写真は、床板とその直下にあったウェイトを取り外した状態。
見ての通り、標準でNEM652ピンがあります。ただ、基盤的にモータへの結線のみで、 ヘッドライト・テールライトはつながっていないので、これにただデコーダを接続しただけでは、大して嬉しくない実装です。
ボディと屋根もツメで引っかかっているだけなので、ボディ内側からツメを抑えて外していきます。
Exp Board for KATO HOの設置
当初の方針通り、DesktopStationさんの「Exp Board for KATO HO」を使用します。
基本的な組み込み方については、以下サイトを参照しましょう。
見ればわかる通り、このExp Boardはクモハ12には長いです。
ということで、基盤右側の点線箇所で切断。基盤の切断は初めてだったけど、想像以上に固い素材で驚いた。ある程度切込みを入れていけば、ミシっと折ることができます。
切断後のExp Board。右側が切断したほうです。切断面はヤスリをかけておきましょう。けっこうバリバリな状態になると思うので。
レール側からExp Boardへの給電経路として、銅板を細っちょろく切って、このようにハンダ付け。銅板の下側が、ウェイト兼導電板みたいなやつに接触するようにします。
Exp Boardをシャーシ上へ設置した状態。銀色の導電板に、取り付けた銅板がちゃんと接しているか確認。 なおNEM652ソケットは、標準状態だと床板パーツからだいぶ奥まった位置となるので、上記のようにピンソケットを取り付けることで、デコーダ側のソケットが挿しやすいようにかさ上げします。
なおこのExp Boardを取り付けるにあたって、標準で搭載されている基盤は撤去しておきます。この標準基盤、直下の導電板と導電性両面テープみたいので接着されていますが、気にせず剥がしちゃいましょう。
ヘッドライト・テールライト基盤への接続
Exp Boardとライト基盤間の配線を行う必要があるので、以下サイトを参照しておきましょう。
上記サイトを見てもらえばわかりますが、以下2つがポイントとなります。
- 基盤パターンのカット
- 前後の基盤で配線が異なる
ライト基盤側にも、T(Tail)、H(Head)、C(Common) と頭文字が印字されているので、前記サイトを参照したうえで結線する。この写真の場合、黄色い線が右側の「TAIL」から出ていますが、ライト基盤側では「H」につながっています。なおこちらは、各パーツにある矢印(→)のおしり側です。
逆側のライト基盤(写真右側、→の先側)は、「TAIL」が「T」へ、「HEAD」が「H」へつながってます。
青い線(Common)は、両側とも「COM」から「C」への接続でOKです。
シャーシへ乗せた状態。見た通り、ExpBoard側のハンダ付けは、裏側の端子にしています。ライト基盤側のハンダが裏側であること、またExp Boardの上側ハンダとすると、床板パーツがハマらなくなるリスクが考えられたため。
スピーカ・デコーダ搭載位置
これが最も悩ましかった。Kumaさん、JR浜松さんの作例では、デコーダがLokSound micro、スピーカはキューブ型へ変更していて、モータの隣に埋め込むようにしています。私が用意したのは LokSound(非micro)+標準スピーカと少々大きいサイズのため、割り切って写真の位置に配置することとしました。床板パーツにボールペンで軽くマーキングしておきます。特に、スピーカのほうは穴をあけて埋め込むため。
ピンバイスで回りを開けていき。。。
リューター、ヤスリと色々使ってポッカリ穴を開けた状態。
加工後の仮設置。
スピーカは裏から見るとこんな感じ。
スピーカの邪魔とならないよう、こちら側のライト基盤への配線はこのようにしています。
室内灯の設置と接続
ボディ側のディテールアップ作業等で外すことが多くなる見込みだったため、シャーシとボディを切り離せるような室内灯への接続を目指しました。
ちなみに利用した電子パーツは以下の通り。
テープLED:両端子 5M 12V 非防水 1チップ 薄型 LEDテープライト (電球色/白ベース)※Amazon
CRD:E-103(10mA)
結果としては少々明る過ぎると感じたので、もう1段低めのCRDにすればよかった。
KATOの標準室内灯は、ボディ真ん中の内側側面を通電経路とする作りのようなので、それを真似てみた。銅板を細く切って、それを曲げて曲げて曲げてこんな形に。
テープLEDなので、天井にそのまま貼り付け。貼り付ける前に、銅板位置などを調整しましょう。
床板側は、ボディ側の銅板に接触するよう、このような銅板を接着。
なお、室内灯の制御は、NEM652の3番ピン経由で、Exp Boardの「AUX」から行います。LokSound的には、「AUX1」というファンクション出力です。
なおこの端子の極性ですが、「AUX(1)」がマイナス、「COM」がプラスとなるので、LED/CRDと接続する際にはお気を付けください。
シャーシと床板を組み込んだ状態。
ちなみに各所で使っている銅板はこれ。imon、ヨドバシなどの模型売り場や、ロフトとかでも売ってます。
オープンサウンドデータの書き込み
ここまでできたら、LokSoundを接続してコマンドステーションと通信ができる状態となってます。というということで、DesktopStationさんサイトからオープンサウンドデータ「第二弾・旧型国電タイプ(吊り掛け)サウンドデータ」をダウンロードさせて頂きましょう!
なお今更ですが、データをLokSoundへ書き込むには、LokProgrammerという機器が必要になります。
写真右下の機器がLokProgrammerです。WindowsパソコンでUSB接続し、「LokProgrammer」という機器と同じ名称のデータ作成/書き込みソフトから書き込み処理を行います。LokSound v4の場合は、約30分かかります。v5だと数分らしい。
入手先や書き込み手順については、上記サイト内にありますのでご参照ください。
ちなみに私が書き込む際、 書き込み中に上記エラーとなりました。原因は、USB延長ケーブルの不良でした。。。
動作確認
データ書き込み後、実際に動かして動作確認します。その時の動画がこちら。
(HO)KATOクモハ12のDCCサウンド化のデコーダ動作確認
以上で電装系の作業は完了です。
次回(3)はディテールアップ的な製作記となります。
つづく